金融商品取引法.公開買付

株式公開入門Naviクローズアップディスクロージャー公開買付の開示その他の規制

その他の規制

全部買付けの例外

 公開買付者は、原則として応募株券等のすべてについて買付けを行なわなければまりませんが、ただし以下の場合は除かれます。

 ■公開買付けの撤回等を行った場合
 ■公開買付開始公告と公開買付届出書において、以下の条件を付した場合
   1)応募株券等の総数が買付予定数に満たないときは、その全部の買付け等をしない。
   2)買付予定数を超えるときは、その超える部分の全部または一部の買付け等をしない。

 ただし、公開買付け後における株券等の所有割合が3分の2を超える場合については、公開買付者に全部買付義務が課されています。これは、上場廃止等に至るような公開買付けの局面においては、手残り株をかかえることとなるような零細な株主が著しく不安定な地位におかれることがないようにしたものです。

 また、応募株券数が買付予定の株件数を超えるときは、その応募株主の応募株券等の数に応募株券等の数の合計のうちに占める、買付けをする株券等の数の合計の割合を乗じる次の按分比例方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行わなければなりません。

金融商品取引法.公開買付

応募株主の契約解除

 公開買付けの応募株主は、公開買付期間中においては、いつでもその公開買付けに係る契約を解除することができます
 これは、対抗公開買付けが出現したときに、すでに公開買付けに応募して株主の保護の観点から導入されたものです。応募株主による契約の解除があった場合において、公開買付者は、その契約解除に伴う損害賠償または違約金の支払を請求することはできません。

公開買付期間の延長

 ■意見表明報告書による延長

 公開買付けによる株券等の買付けは、公開買付者が公開買付開始公告を行った日から、20営業日以上60営業日以内とされています。
 この公開買付期間は従来、公開買付者の選択のみで決定されていましたが、投資家への情報提供・十分な検討期間の確保の観点から、公開買付者が当初設定した公開買付期間が30営業日より短い場合において、対象者が意見表明報告書のなかで、公開買付期間の延長を請求したときは、公開買付期間は30営業日まで延長されることになります。

 ■対抗公開買付による延長

 公開買付期間の最長期間は60営業日とされ、原則としてそれ以上の延長は認められません。しかしながら例えば、公開買付期間の終盤に好条件での対抗公開買付けをかけられた場合、それと競争するために買付期間の延長を行うことを認められないと、既存の公開買付者は何らの対抗措置をとることができず、公開買付者間での不公平が生じることが考えられます。

 したがってこのような場合には、例外的に、公開買付者同士が競争できるよう公開買付期間の延長を認めています。また、これを認めることは、投資家の保護にも資することになります。

金融商品取引法.公開買付期間中の市場買付

 
金融商品取引法.公開買付