有価証券届出書虚偽記載の賠償.罰則

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届出書の虚偽記載

虚偽記載の賠償責任

 有価証券届出書における虚偽記載には、2つからなっています。一つは、有価証券届出書の重要な記載に虚偽がある場合で、もう一つは、記載すべき重要な事項もしくは誤解を生じさせないために必要で重要な事実の記載が欠けていた場合です。これは、発行登録書および、発行登録追補書類も同様の扱いとなっています。

 上記のような虚偽記載があった場合には、その有価証券届出書の届出者は、その有価証券をその募集または売出しに応じて取得したものに対して、損害の賠償をしなければなりません。この賠償責任は、無過失責任と解されており、投資家は発行会社の故意または過失を立証する必要はありません。また、発行会社が故意または過失がないことを立証しても免責されません。
 ただし、有価証券届出書に重要な虚偽記載があることを知っていた悪意の投資家には適用されません。

 重要な虚偽記載のある有価証券届出書を作成した発行者が、投資家に賠償すべき額は、請求者である投資家がその有価証券の取得について支払った額から、次のいずれかの額を控除した額です。

  • 損害賠償を請求する時における市場価額
  • 損害賠償前にその有価証券を処分した場合には、その処分価額

連帯責任者

 発行会社の役員、売出人、公認会計士、証券会社等は有価証券届出書の作成あるいは、有価証券の募集または売出しに重大な責任を負っています。また、有価証券届出書の虚偽に対する発行会社の損害賠償責任だけでは、粉飾決算の予防および投資家が被った被害の救済を担保するには不十分な場合もありますので、発行会社のほか、発行会社の役員、売出人、公認会計士、証券会社等にも損害賠償責任を負わせています。
 なお、有価証券届出書に重要な虚偽記載があることを知っていた悪意の投資家には適用されません。

有価証券届出書虚偽記載の賠償.罰則

■発行市場で有価証券を取得した者による損害賠償請求

対象者 責任対象範囲 賠償責任
発行会社 有価証券届出書全て ・無過失責任
・免責されるためには、会社が因果関係がないことを立証
・損害賠償額が法定
役 員 有価証券届出書全て ・過失責任(過失についての拳証責任は責任を負うべき者)
・請求者(投資家)が因果関係を立証
公認会計士
(監査法人)
財務諸表部分
証券会社 財務諸表以外

虚偽記載の罰則

罰則 個人・・・10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(またはその両方)
法人・・・7億円以下の罰金
課徴金 有価証券の募集額の1%など

粉飾決算を証券取引等監視委に摘発された主な新興企業

社名 市場 処分内容など 主な手口
オー・エイチ・ティー マザーズ 強制調査 架空売上の計上
サイバーファーム ヘラクレス 課徴金(300万円) 売上の前倒し計上
プロデュース ジャスダック 強制調査 架空売上の計上
クリムゾン ジャスダック 課徴金(500万円) 原価の過少計上
セタ ジャスダック 課徴金(300万円) 売上の前倒し計上
アクセス ジャスダック 刑事告発 売上の前倒し計上
アスキーソリューションズ ヘラクレス 課徴金(1,957万円) 売上の過大計上
ネクストウェア ヘラクレス 課徴金(222.9999万円) 架空売上の計上

 ※2008年12月17日付け日本経済新聞より

有価証券届出書虚偽記載の賠償.罰則開示書類の縦覧

 
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