特例報告制度 |
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特例報告とは株式等保有割合の5%を超えて、株式等を大量に保有した者(大量保有者)は、原則として、大量保有者となってから5営業日以内に、大量保有報告書を提出しなければなりません。しかし、証券会社・金融機関・機関投資家などのように、日々業務として大量の株式等を売買しているものについても、大量保有報告書の提出を義務付けては、頻繁に提出させることとなってしまい事務手続きの負担が多大になってしまいますので、より簡便な方法が認められています。 具体的には、特定の基準日ごとに株式等の保有状況を確認して、その時点で5%を超えていれば報告をおこなうというもので、言い換えれば、一時的に5%を超えたとしても、基準日までに解消すれば、原則として報告書の提出は不要になります。これを本来の報告方法である『一般報告』に対して、『特例報告』といいます。 特例報告の適用対象本来、機関投資家などは、会社の経営に影響力を行使するためではなく、いわゆるトレーディング・ディーリングとして売買益を上げるために、日々、大量に株券等の売買を行います。そういった前提に立って、機関投資家などについては、簡便な『特例報告』を利用した大量保有報告書の提出が認められています。 しかし近年、機関投資家の中に、会社の経営に影響力を行使することを目的とするようなタイプの、いわゆる『アクティビスト・ファンド』と称される投資家が出現するようになりました。こうしたファンドの中には、大量の株式を取得して、会社の経営に大きな影響力を行使しながら、目的はあくまでも『純投資』と言い張って『特例報告』のメリットを受け、株式等の保有状況を中々開示しない、といった行動をとる者が見受けられたのです。 そこで、これに対する改正が行われ改正後には、会社の事業活動に重大な変更を加え、または重大な影響を及ぼす行為を行なうことを保有の目的とする投資家には、特例報告の適用が受けられないものとされました。 ■改正前・改正後の比較
重要提案行為等の内容対象会社の事業活動に重大な変更を加え、または重大な影響を及ぼす行為とは、対象会社またはその子会社にかかる次の事項を、その株主総会または役員に対して提案する行為をいいます。
上記にあげた、重要提案行為等を保有の目的とする場合には、特例報告の適用はありません。 |
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