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新規上場市場の動向(a)

現場から見た直近の新規上場動向

 株式上場を支援する現場から見た直近の新規上場市場の状況

【新規上場市場の状況】

- Navi - 現在、株式市場は悲惨な状況で「そんなこと聴かなくても・・」と、言われるかもしれませんが、それでもあえて伺います、現在新規上場の状況は如何でしょうか?(笑)

- 高橋 - 最悪ですね。

- 高橋+Navi - (苦笑)

- 高橋 - 仰るとおり株式市場も最悪の状況ですし、審査もメチャクチャ厳しくなっています。今、マザーズに上がるのはほとんど無理です。上げるつもりが無いのではと思えるくらいです。ですので、この時期上がって来る会社は、ある意味本物かもしれません。
  あと、監査法人も厳しいですね。監査法人は、前は数字しか見ていなかったですが、今は数字以外でも結構うるさいこと言ってきますから。

- Navi - 例えば?

- 高橋 - 例えば、今はショートレビューの段階で監査法人自体が事業評価をしてきます。「この事業モデルでは、上場できない」とか言ってきます。昔はこんなことやらなかったですがね。これはVCであったり引受(証券会社)であったりしたのですが、監査法人が、そういうことを言い出し始めましたよね。

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- Navi - それは2006年に経営陣が証取法違反で逮捕されたIT企業の一件から、あまりおかしな会社と監査契約を結ぶと、後々面倒なことに成る可能性があるので、そのリスクをできるだけ未然に回避したいという意向ですか?

- 高橋 - と言うことよりも、上場の可能性がないところを格安の監査報酬で受けたくないということです。IPO案件は、監査法人にとって『ハイリスク・ローリターン』と言うところがあって、あまり受けたくないというのが本音ではあるのです。ただ上場した時には監査報酬をグット上げる余地も出てきますので、大体上げますが、最初は種まきのような感じで、低めの監査報酬で引き受けるのです。ですから、上げられないまま上場断念されてしまいますと、監査法人にとっては割に合わないということになってしまうのです。

- Navi - なるほど!

- 高橋 - ですので最初のショートレビューの段階で、事業評価をやってしまって、この事業モデルでは時価総額が10億程度しか付かないと判断されると、「これでは主幹事が引き受けないでしょう」という言い方をしてきます。これを口実に、監査を引き受けてくれなくなってしまうのです。

【今後の見通し】

- Navi - これも聴くのをためらうような質問ですが、今後の新規上場市場の見通しはどうなると思われますか?

- 高橋 - 株価次第というとこがありますよね。(笑)株価上がってくれるといいんですけれども。 あとは、来年動くであろう『東証のプロ向け市場』で、これがどう動くかですよね。

- Navi - ただ、新聞紙上等によるとあまり思うようには行っていないようで、特に大手証券会社にとっては、リスクが大きい割には入りが少ないと、あまり前向きになっていないようですが。

- 高橋 - そうですね。要するに『ハイリスク・ローリターン』だということで、証券会社にかなり受けが良くないみたいで、東証も見直しをかけているみたいな記事もありましたけど。確かに証券会社の引受担当の方とお話した際に、かなりネガティブな評価をされているようでした。ただ、東証はかなり力を入れているはずですので、どう動いて来るかです。

- Navi - マザーズもイマイチですし、新規上場市場の『救世主』になれるのでしょうか?

- 高橋 - 東証は、マザーズを市場として失敗したと考えているので、縮小したいと思っています。そして、それに変わる市場として、新しいプロ向け市場を考えているので、東証としてはかなり力を入れているはずです。

- Navi - すると、マザーズは廃止の方向でしょうか?

- 高橋 - 廃止とまでは言わないまでも、東証の方針としては、マザーズは上の市場に上がるためのステップの市場ですので、マザーズに上がった後何年間の間に、上の市場に上がれない場合は、上場廃止にするという基準を入れてくるのではないでしょうか。

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