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上場を目指す企業へ(a)

これから上場を目指す企業へ

 これから株式上場を目指そうとしている、経営者や従業員へのアドバイス

【株式上場の一番のメリット】

- Navi - 高橋さんが考えられる、株式上場の一番のメリットは何でしょうか?

- 高橋 - 一番のメリットは『知名度や信用度の向上』ですね。資金調達力の向上などもありますが、上場をされた社長のお話を伺うと、圧倒的に知名度が上がった結果、優秀な人材が集まるようになったり、向こう側からいろいろな取引の引き合いが来るようになったと言われます。あと、銀行からの借入も当然し易くなります。

【株式上場の一番のデメリット】

- Navi - では、株式上場のデメリットは何でしょうか?

- 高橋 - これはもう、コストでしょうね。これをデメリットと捉えるか否かは議論が有るところですが、見方によってはメリットという捉え方もあります。と言うのは、これは裏を返せば、そうした管理コストを負担してもなお上場を維持し、利益を計上しているからこそ、評判が上がるのでしょうから。
 ただ、経営者の方は管理部門に対する人材投資を怠るという話が先程も出ましたが、やはりそういう意識の方が多いですから、どうしても単純に「金掛かるなー」と思われてしまいがちですよね。

【ストックオプション制度について】

- Navi - 新聞によると新規上場企業の半数程度が、ストックオプションを導入している状況ですが、ただメリットばかりが前面に出てしまい、そのデメリットはあまり語られない事が多いように思います。デメリットとして例えば、何億という莫大なお金が得られたり、あまり得られなかったり両極端のケースが多く、莫大なお金を得られた場合、優秀な人材がそれを資金に会社を去ってしまうこともあります。また、上場により多額のお金を得られた人を多く見て来ましたが、その結果労働意欲が下がってしまったり、時には人間性までも変えてしまうことがあるようにも思えます。
 高橋さんもいろいろな会社を見て来られたと思うのですが、このストックオプションという制度をどう思われます。

- 高橋 - そうですね、いろいろな会社のストックオプション発行のお手伝いなどをしていますが、あげ過ぎないことです。特に従業員で辞めて欲しくない人にはあげ過ぎないことです。辞めて欲しくない方というのは優秀な方じゃないですか。優秀な方は独立心が芽生えてくる方が多いですから、仰られたように、上場して数千万儲かれば「それを資金にして」と考え辞める場合も多々あります。ですので、辞めない程度の金額、例えば年収程度までに抑えるようにした方が良いと思います。

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【経営者は上場を目指すならこれは心得よ】

- Navi - 経営者から上場準備が始まった後にこんなはずではなかった、とよく聴く点や上場を目指す多くの経営者が欠けている点など、これから上場を目指す経営者は、『これは心得よ』というポイントはありますか?

- 高橋 - これは先程も言いましたが、やはりコストですね。上場に必要なコストをあまく考えている方がほんとに多いです。上場を考えている会社の相談に伺うことも多々あるのですが、いろいろお話をする中で、コスト面のお話をし「これだけコストが掛かりますよ」と言うと、大体「えっ!」となって「ちょっとうちではまだ無理ですね」となってしまいますから。

- Navi - コストの話で、夢から現実に目を覚まされてしまうのですね。(笑)

- 高橋 - 具体的にコストをあげれば通常、監査法人の監査報酬が年間600万円〜1000万円、主幹事証券の引受指導料が年間500万円〜600万円程度掛かります。これだけでも年間1000万円以上のコスト増加です。その他にも管理部門の人員増加(通常は2〜3名程度は増員が必要)、CFOの選任、常勤監査役の選任、印刷会社(プロネクサス・宝印刷)への支払、証券代行への支払、コンサルタントへの支払を考えれば、上場前3年間程度のトータルで5000万円〜1億円程度は掛かってしまうのです。これだけのコストを掛けて上場して、なおも利益を計上する(経常利益で1億程度は必要)となるとハードルは相当高いですよ。

- Navi - 今更ながらですが、上場にはコスト掛かり過ぎですよね。そこに追い討ちを掛けるようにJ-SOXが来ていますから、市場環境の影響もありますけど、今年の新規上場が激減するのも分かります。J-SOXでは、どの程度のコスト増になりそうですか?

- 高橋 - J-SOXでは、大体監査報酬で1.5倍程度になる感覚でしょうか。あと、内部的に専任者が1人必要になるのかもしれないですけど、ただ専任で抱える程の仕事量でもないのかな?と最近、思っています。ですのでそう言う所は寧ろ、うちのような専門コンサルタントにアウトソーシングしてしまって、社内ではコアな部分だけやってもらえば良いのではないでしょうか。

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