上場審査.労務

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概要.上場審査(b)

労務コンプライアンスの現状

 近年における労務コンプライアンスの現状及び対応方法

【労務コンプライアンスとは】

- Navi - 今回は、御社の得意分野のひとつでもでもあります『労務コンプライアンス』をテーマに伺わせて頂きますので、よろしくお願いします。  先ず、前提として『労務コンプライアンス』とは何でしょうか?

- 高橋 - 狭い意味で言えば労働関連法令の遵守状況ということになり、具体的には労働基準法や最近いろいろ話題になります労働者派遣法、その他厚生年金保険法・健康保険法・雇用保険法などになりますが、やはりメインは労働基準法になります。広い意味では法令に限らず社会的規範や社内規程も含めての遵守状況になります。

■労務コンプライアンスの範囲

【近年の労務コンプライアンスに対する審査状況とその背景】

- Navi - その労務コンプライアンスですが、近年審査状況は如何でしょう

- 高橋 - 厳しくなっています。人事労務関連については以前も審査上触れられてはいましたけれども、『人事基本方針の確認・労使関係の状況・従業員の入退社状況・幹部職員の定着率』程度でした。しかし、今はコンプライアンスの状況が重視されて、特に『未払残業代の有無・社会保険の加入状況・名ばかり管理職・偽装請負』などが厳しくみられるようになってきていますね。

- Navi - 審査で労務関連が厳しくなってきている背景としては、やはり大手ハンバーガーチェーンの名ばかり管理職を初めとする労務関連の不祥事が相次いでいるからなのでしょうか?

- 高橋 - そうですね。仰るとおり上場企業の不祥事が相次いで起きているからだと思います。上場企業にも労働基準監督署による『臨検』(臨時検査のこと)が入り、是正勧告を受けて億単位の金額を未払い残業代として払わなければいけないということもあります。特に新興市場では、その辺の管理体制が整わないうちに上場するケースもありましたので、取引所も厳しく見始めていると思われます。

- Navi - 審査内容も、社会情勢とともに変化しているのですね。

- 高橋 - ええ。あと未払社会保険料や未払残業代があるということは、本来社会保険に加入すべき人が加入していないとか、支払うべき残業代を支払っていないということになりますから、一種の簿外債務という考え方もできます。こういった企業は、残業代や社会保険料を支払っていないために利益が出ているようなものですから、ある意味粉飾決算ともいえます。これは私の持論でもあります。

- Navi - 私がかつて公開準備をしていた300人程の規模の会社ですが、そこは利益が1・2億円程度出たので公開を目指し始めたのですが、社会保険の加入状況や残業代の支払い状況について、主幹事から指摘を受けまして、改善を行なった結果、利益がすっ飛んでしまい上場どころではなくなってしまったことがありました。仰る通りある意味、あの利益は粉飾されたものとも言えますね。

- 高橋 - 私も太田昭和監査法人時代ですが、社会保険の未加入者が多数存在する会社があり、加入をした場合の保険料を算定したところ利益が飛んでしまう結果となり、この件をショートレビュー報告書に書いたことがあります。

- Navi - 従業員数が数十人規模ならまだしも、派遣や小売・飲食などの従業員やバイト数が比較的多い会社での社会保険未加入は、それだけで赤字転落ということもあり得ますからね。

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