内部監査報告書

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監査報告書

監査報告書の作成

 内部監査の実施後は、結果をまとめた『監査報告書』を作成します。監査報告書の提出先としては、社長の他に被監査部門長・監査役・取締役会などが考えられますが、内容によっては社長のみの場合もあります。
 監査報告書は、経営者と内部監査人とを結ぶものですので、内部監査結果の成果として有意義な情報を簡素にまとめ、最後まで読ませる工夫をすることが必要です。

■被監査部門との協議

 監査結果に基づいて被監査部門との講評会(協議会)を設け、結果報告内容および、改善方法についての検討を行ないます。
 監査報告書や改善指示書を一方的に作成してしまうと、『不備だと思っていたが勘違いだった・別の内部統制が存在していて不備がカバーされている』、また『現実的ではない改善策・改善日程が困難・改善策になっていない』などとなってしまうケースが多々有ります。そこで、監査終了後に講評会を設けて、問題点の整理と結果内容の誤りや誤解がないかの確認、および改善方法を決定します。

 これらを経て、報告書をまとめます。

 ■記載項目例

  • 監査の種類、区分
  • 監査の実施時期(期間)
  • 被監査部門(回答者・立会い人名)
  • 監査人員数および氏名
  • 監査方法
  • 総括的意見(問題点・リスク・総合評価)
  • 改善案
  • 所見・特記事項・要望事項・添付書類 等

 ■作成ポイント

  • 重要ポイントを簡潔にまとめる(経営者は忙しいので)
  • 興味をもって最後まで読ませる工夫をする(図表、重要箇所の強調、箇条書き 等)
  • なるべく個人的な批評は避ける

監査証拠

 監査証拠とは、監査要点ごとに監査人が導き出した結論の根拠となるものをいいます。監査証拠がなければ、報告書の客観性や適切性が立証されません。

 ■形態別分類

 監査証拠はその形態によって@物的証拠A文書証拠B口頭証拠C状況証拠に分けることができます。

@物的証拠 『もの』で得られる証拠
A文書証拠 文章の形で残されている証拠
B口頭証拠 質問に対する口頭の回答(なお回答を文書にしても口頭証拠)
C状況証拠 『ある状況・状態』を証拠とするが、ただしそれだけでは十分な証拠とはならない

 証拠力の強さでは『@物的証拠』が一番強く、@→A→B→Cと弱くなります。

 ■入手源泉別分類

 監査証拠はその入手源泉別に分けると、内部証拠と外部証拠になります。証拠の作成者が企業の内部か外部かで判断されます。当然ながら、外部証拠の方が内部証拠よりも証拠としての力が強くなります。

経営者への報告

 経営者への報告は、結果報告はあまり期間をおいてしまうと、問題を長引かせる、経営者の興味が薄まる、記憶が曖昧になる などの影響が出てきますので、できるだけ早く報告書をまとめ報告し、助言・指示を受けます。
 また、報告書は内容別・対象部署別・実施期間別 などでまとめ、10年程度保存します。

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