業務の区分(b) |
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証券会社と監査法人の業務区分- A氏 - 主幹事が先というケースは、ほとんどないですね。初期段階に証券会社の営業が月に1回程度訪問していることもありますが、上場のマニュアル本などにも書かれていますが、株式上場を目指したら先ず監査法人ということですかね。 - Navi - なぜ、監査法人が先のケースがほとんどなのですか? - A氏 - いろいろな要因がありますが、先程話しました手数料などもそのひとつです。監査法人の場合、顧問契約をすれば毎月の報酬は得られますが、主幹事の場合は株式上場してこその手数料なので、初期段階のまだ海のものとも山のものとも分からない時点では、入りづらいのです。 - Navi - しかし先程、主幹事は資本政策と審査対応がメインと言われましたが、資本政策は初期段階での計画が必要になりますよね。その辺の兼合いはどうなのですか? - A氏 - 私の勤務していた証券会社の場合ですが、初期段階では営業部隊が準備会社に訪問し、ある程度の目鼻が付いたら引受部がバトンを受け伺うような流れになっていました。なので初期の資本政策立案については、営業が相談を受ける形になります。 - Navi - とすると、資本政策は証券会社の営業の方が作成するのですか? - A氏 - 実際には、まだその段階では証券会社の営業が訪問する回数も少なく、頻繁に相談がし難いこともあるので、会社が独自にIPOコンサルタントと契約をして、彼等が作成する場合が多いですね。 - Navi - 資本政策は数値が絡みますが、監査法人が作成することはないのですか? - A氏 - よくここは誤解されるのですが、資本政策についてほとんど監査法人は絡みません。というか、一般論としては監査法人は資本政策や株価についてはあまり知識がありません。通常公認会計士は、新規上場を担当するよりも既上場会社の監査をすることが圧倒的に多く、新規上場を担当するのは多くはありませんので、上場の経験や知識はそれほどありません。 - Navi - 資本政策となると、数値的要素が大きいので監査法人が一番詳しいイメージを持ちやすいですが、そうではないのですね。 - A氏 - もっと言えば、上場基準も知らない会計士も多いですよ。会計士は有価証券報告書を作成する技術を持っている人と言うことですよ。これもまた、会計士に怒られるかな。(笑) |
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