当期純利益率

株式公開入門Naviピックアップ決算書の見方損益計算書の見方当期純利益分析

当期純利益分析

当期純利益とは

 『税引前当期純利益−税金等』で求められます。税引前当期純利益は、会社が一年間で得た利益ですが、これらには法人税・住民税・事業税が課税されますので、納税額を差し引くかなければなりません。従って『当期純利益』では、当該会計年度で得られた処分可能な利益を知ることができます。

処分可能利益の獲得効率

 当期純利益を売上高に対する比率で算出します。これを『当期純利益率』といいます。この比率が高いほど、その年に得られた処分可能な利益の効率が高いといえます。業種によっても異なりますが、目安として3〜4%以上であれば効率のよい会社といえます。

 当期純利益率(%)=当期純利益÷売上高×100

法人税等調整額とは

 『法人税等調整額』とは、会計(損益計算書)の利益が負担すべき法人税等と税法(法人税等)に則って算出した法人税等の差額を調整するものです。法人税等調整額の上にある『法人税・住民税及び事業税』は、税法に則った税額で、そこから法人税等調整額で『+または−』することで、会計の利益が負担すべき税額に調整しているのです。これは税金が課税される基となる金額が、会計の利益と税法の利益(所得金額)では異なるためであり、そのため負担すべき税額も異なってきますので、会計ではこのような勘定科目を使い会計の利益が負担すべき税額にしているのです。

会計と税法の差異:[税法(法人税法)]

配当性向により配当政策を知る

 『配当性向』とは、当期純利益に対する株主配当金の割合になります。

  配当性向=株主配当金÷当期純利益

 上場企業の配当政策は、有価証券報告書の『配当政策』に記載されていますが、配当性向を一定の比率に保とうとするケースや、一株当たりの配当金を一定の額に保とうとするケースなどがあります。欧米に比べ日本企業の配当性向は低いと言われていましたが、株主重視の考えが広がり近年は上昇する傾向にあります。

まめ知識

 ■指標の利用方法

 指標や決算書を分析する場合に、ただ比率を算出したり売上高や利益金額を見ているだけでは分析はできません。過去5年程度の実績数値・同業他社の平均数値などと比較することが大切になります。自社の過去の推移を知ることでどのように変化してきたかがわかりますし、同業他社の平均数値と比較することで、自社の劣っている点や改善点が見えてきます。

 指標や決算書は、単に一期の数値をみているだけではあまり意味がなく、何かと比較することで数値に隠されたものも見えてきますので、これらを見る場合は、過去の実績や業界水準などと比較して見るように心掛けて下さい。

当期純利益率税引前当期純利益

 
当期純利益率