決算書の見方.読み方

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決算書の見方

 非上場企業で『決算書』が利用されるケースとしては、税務申告や銀行の借入などの外部からの求めに応じて提出が迫られる場合のみで、決算書(年次・月次)を基に取締役会や経営会議で経営戦略等を考えたり、予算実績比較を行なうことなどはあまり行なわれていません。これらが行なわれていない理由として、一番大きいのが『経営陣が決算書を読めない』ということが挙げられます。当然、経営陣が読めないものが会議の資料として利用されるわけもなく、税務申告が終われば決算書は経理部の奥の棚に仕舞い込まれ、銀行の借入でもしないかぎり、だれの目にもふれることなく埃が被ったままの状態というケースが多々あります。

 本来『決算書』は、企業活動の結果としての重要な客観的な数値がまとめられているもので、会社経営には不可欠なものといえます。同族会社(経営者≒株主)の会社であるならば、この客観的な数値(決算書)を無視した経営判断(社長の直感的経営)を行なったとしても許されるかもしれませんが、しかしながら上場会社となれば株主や投資家からは、客観的な数値(決算書)による結果が求められますので、客観的数値・計数を把握しこれらを基に経営管理を行い、経営方針を検討・判断することが不可欠となってきます。

 上記のように企業経営において、数値管理・計数を把握することが重要だと言えますがその一方で、これらを重視し過ぎて『はじめに数値ありき』でも問題です。なぜなら、企業活動において最も重要なのは『技術力・蓄積されたノウハウ・販売力』といった現場に係る要素になりますが、これらは決算書には反映され難いものでもあり、これらを無視して決算書の数値や分析結果だけが前面に出されてしまっては、空理空論を基に経営判断を行なうことになってしまう可能性があるからです。
 あくまでも企業経営は実業(販売・生産・研究部門等)部門が中心であり、数値管理が重要といえどこれらの専門家である経理部のみが把握し予算や実績管理は経理部任せで、経営陣や実業部門が数値に踊らされている状況では企業成長は望めません。

決算書,見方,読み方

 企業成長にとっては、決算書の客観的な数値に現場の状況や状態が加味され、経営方針を検討・判断することが最適だと言えます。したがって決算書を読むことは経理部が読むよりも、販売部門や生産部門等の人達や最終的な経営判断を行なう経営陣が決算書を読めるようになってもらうことが、企業成長にとってはプラスになるのです。これは上場企業・非上場企業関係なく言えることです。

 ただし、簿記や経理を本格的に学ぶとしたならば多くの時間が必要となりますので、経営陣や実業部門の方がそのようなことをしたら、本業が疎かになり本末転倒となってしまいますので、決算数値の全体像が読め、細かな分析は専門家に任せるがその資料は読み取れる程度に勉強し、あまり追及し過ぎて深く入り込まないようにすることも大切です。

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ワンポイントアドバイス:決算書編

アドバイザー:石割公認会計士事務所 石割由紀人公認会計士

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 決算書を経営に、活かすには、営業や生産の活動を経理の数値を有機的に結びつけて分析し、経営活動にタイムリーにフィードバックすることが重要です。そのためには、その会社特有のKPI(key performance indicator 重要業績評価指標)を適切に設定し、モニタリングする必要があります。

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