損益計算書見方.読み方.pl

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損益計算書の見方

損益計算書の概要

 損益計算書は決算書類のひとつで、会計事業年度(例:4月1日から翌年の3月31日まで)の期間にどのくらいの利益もしくは損失となったかを表示している表になります。また、事業年度の期間のすべての収益と費用を記載しているので、会社の収益力や取引別(本来の営業・営業外・非経常等)にどの程度の利益を獲得しているかなどもわかる資料です。

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 損益計算書は、収益から費用を差し引くことで利益を算出しています。収益とは会社が収入として受け取るもので、代表的なものに売上高がありますが、この他にも預金の利息・株の受取配当・車を売った売却益などがあります。また、費用にしても商品仕入や従業員の給与だけでなく、借入金の支払利息・土地を売った売却損・株式の売却損などもあります。

 これらの収益や費用を一括に差し引いても同じ利益金額は算出されますが、損益計算書では一定の規則により各項目を区分し差し引くことで途中経過を明らかにし、いくつかの利益を算出することで、どのような取引で利益を出し逆に損失を出しているのかが分かるようにしています。
 その区分の仕方としては大きく分けて『営業損益計算(上図:黄色)』『経常損益計算(上図:)』『当期純損益計算(上図:)』があります。

 ■営業損益計算とは

 営業損益計算とは、『本来の営業活動で得た利益の計算』になり、会社が本来の営業でいくら利益もしくは損失を出しているかを知る目安となります。算出方法としては先ず、売上高−売上原価(製品原価・仕入高)=売上総利益を算出し、次に売上総利益−販売費及び一般管理費=営業利益を算出します。

 売上総利益は、所謂『粗利益』を指し、売上高から製造業であれば製品を製造するための原価を差し引き、卸売業や小売業ならば販売する商品の仕入高を差し引いた金額になります。
 営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた金額ですが、販売費とは営業マンや広告宣伝費・販売促進費など販売にかかる費用をいい、管理費とは財務・総務など会社を運営管理していくための費用をいいます。

 ■経常損益計算とは

 当期純損益計算とは、『総合的な収益力で得た利益の計算』になり、通常状態での会社の収益力がどの程度あるかを知る目安となります。算出方法としては営業利益+営業外収益−営業外費用=経常利益になります。営業外収益・費用とは主に金融取引(利息・配当等)に係るものをいいます。金融取引は、会社本来の営業活動での損益ではありませんが、借入利息や受取配当は『営業外』といっても企業経営には欠かせないものであり、かつ毎期発生するものですので、これらを含めて会社の収益力だと言えます。

 営業外収益とは銀行の預金利息・受取配当金などで、営業外費用とは借入金の支払利息・有価証券売却損などが挙げられます。ただし営業外のなかには非反復的・非経常的なものがありますが、これらはこの後の特別損益項目となりますので注意が必要です。

 ■当期純損益計算とは

 経常損益計算とは、『会計年度(通常1年)で得た処分可能な利益の計算』になり、当期に得た処分可能な利益すなわち最終的な利益がどの程度あるかを知ることができます。算出方法としては先ず、経常利益+特別利益−特別損失=税引前当期純利益を算出し、次に税引前当期純利益−法人税・住民税・事業税=当期純利益を算出します。

 特別損益項目とは非反復的・非経常的な取引から生じたもので、固定資産(土地・建物等)を売却した場合・火災損失・前期以前に間違った会計処理をした場合の修正などをいいます。これらを経常損益に加えてしまうと、会社の経常的な収益力が分からなくなってしまいますので区分しています。

 ■5つの利益

 上記のように損益計算書では、項目を区分表示することで段階的な収益力を知ることできるよう、5つの利益を算出しています。5つの利益とは、上から@売上総利益A営業利益B経常利益C税引前当期純利益D当期純利益になります。上に行くほど本来の営業活動で稼いだ利益に近くになり、下に行くほど実際に手元に残った利益に近くなります。

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