営業利益率.労働生産性

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営業利益分析

営業利益とは

 営業利益は『売上総利益−販売費及び一般管理』で求められます。『販売費及び一般管理費』とは、営業活動や管理部門に関する費用になります。従って『営業利益』では、会社本来の営業活動でいくら稼いだかを知ることができます。

営業活動での利益獲得効率

 営業利益を売上高に対する比率で算出します。これを『営業利益率』といいます。この比率が高いほど、会社本来の営業活動での利益の効率が高いといえます。業種によっても異なりますが、目安として5〜10%以上であれば効率のよい会社といえます。

 営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100

 例えば、一人従業員を雇用すると給料・交通費・社会保険等で500万円掛かる場合、その会社の営業利益率が2%だとしたら、5,000,000÷0.02=250,000,000円となりますので、新たに2億5千万円もの売上げを増やさないと現状を維持できないとことになります。

人件費

 一般的に販売費及び一般管理費のなかで、大きなウエイトを占めているもののひとつが『人件費』です。営業利益率が同業種他社や前期と比較して低い場合、は先ず最初にチェックしたい項目のひとつですし、売上高の伸びと人件費の伸びが比例しているかなどもチェックします。
 人件費など『人』に係る指標は様々あり、代表的なものとしては、以下のようなものがあります。

  労働生産性(円)=付加価値÷従業員数

 『付加価値』とは、売上高から原材料や外注費を差し引いたもので、これは『売上総利益(粗利益)』と同じものだと考えてかまいません。売上高から原材料等を差し引いた金額は、生産によって生み出された『付加価値』だという考え方です。そして『労働生産性』は、一人当たりどの程度の付加価値を付加価値をあげたかという指標になります。もちろんこれは、高いほど労働生産性がよい会社だといえます。
 日本の平均の労働生産性は800万円(2004年)で、先進7ヶ国のうち最低となっており、特にサービス業の生産性が低くなっています。

営業利益率.労働生産性

  労働分配率(%)=人件費÷付加価値

 労働分配率は、付加価値のうちどのくらいを人件費としてして分配しているかを示しており、低いほどよい会社だといえます。労働分配率は、目安として30〜35%以下であれば優良企業だとえいます。

まめ知識

 ■粉飾決算を見破る方法

 粉飾決算とは、銀行借入や取引先の与信審査等が上手く運ぶ目的で、決算書の数値を操作することをいいますが、上場企業の場合には監査法人が監査を行なっていますので操作は難しいですが、中小企業では操作が行なわれることも多々あります。
 その方法として、架空売上計上・在庫の過大計上などがあります。

 これらを単年度の決算書のみで見破るのは難しいですが、過去の数年分の決算書とで比較すると、『怪しげな箇所』が見えてくることが多々あります。例えば、以下のような現象があります。

  • 新規事業を始めるなど特段の理由無く売上高が急増している
  • 棚卸資産が急増している
  • 売上総利益(粗利益率)や営業利益に大きな変化が見られる
  • 売掛金・仮払金・固定資産・繰延資産が急増している 等

 上記のような現象がある場合は、相手先にその理由を問い合わせるなど確認をした方がよいかもしれません。

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