株式会社のしくみ |
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所有と経営の分離株式会社は原則として所有と経営が分離しているのが特徴です。お金がある人が経営の能力ある人を選びお金を出し、そのお金を選ばれた人が運用し利益が出たらそのいくらかを受け取る。 これをちょっとかっこよく言えば、会社に出資した投資家が『株主』となり、株主は『株主総会』を開き、経営のプロである『取締役』を選任する。選任された『取締役』は『取締役会』を開き取締役の中から『代表取締役』を選任する。『代表取締役』は、会社を代表して経営(業務執行)を行い、重要な意思判断については『取締役会』で決定する。『株主』は通常経営には直接加わらないので、『取締役』の業務執行を監視する機関として『監査役』を選任し経営を監視させる。そしてその運用により会社に利益が出たならば、『配当金』として受け取る。これが『所有=株主と経営=経営者の分離』ということです。 しかしながら中小企業の現実は株主=経営者(代表取締役)でオーナー社長の場合がほとんどで、『株主総会』・『取締役会』も形式的に開催するだけで(議事録のみの場合も)機能していないのが実状です。このような状況の会社が、IPOにより外部株主が現れ『株主総会』で「配当上げろ」「株価上げろ」「経営者失格だ」更には「あなたの会社の株式50%超取得しました」なんてことが起きる可能性もあるので、IPOの意思決定にはそのメリット・デメリットを熟慮した上で決定しなければなりません。 ■株式会社の各機関の役割と関係 逆に株式の分散が進むと、経営の重要な意思決定に影響を及ぼすような大株主は存在しなくなり、株主の支配から自由になった経営者は事実上、その企業を支配することになり、これを『所有と支配の分離』と言います。そして、この所有と支配の分離が過度に進んだ企業を『経営者支配企業』と言います。 |
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