資本政策全般(a) |
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資本政策立案に関する全般的な質問『資本政策立案マニュアル』からおよびそれ以外からの全般的な質問 【強気の事業計画のリスク】 - Navi - これは結構多いと思うのですが、社長が強気一辺倒と言いますか、ほとんど達成不可能な事業計画の作成をしてしまう。実際私が関係したほとんどの社長はそうでした。私なりにリスク等をあげて説明したのですが、なかなか分かってもらえないことが多いですし、あまり言うと機嫌悪くなったりするので、どうしたらよいのかをかなり悩んだりもしました。 - 石割 - 強気の事業計画で最高の株価で増資したならば、その場は良いかもしれませんが、もしその事業計画が達成できなかった場合、その次のラウンドでその資本政策は根底から崩れる訳ですから追加増資を受けるのは難しくなってきます。これは先程も言いましたが、自分で自分の首を絞めていることになりかねないと思うのです。 - Navi - この様なお客さんはいらっしゃいませんか?また、その場合どのようなアドバイスをされるのですか? - 石割 - いらっしゃいますね。ある程度自分の中で幅と言いますか、上手く行った場合と悪く行った場合の中で、「ベストシナリオによって最高の株価を付けてしまったならば次に増資出来るのですか?」と問いますと、「では、どうしたら良いのですか?」と尋ねられますが、「事業計画が100%達成できるならばこれで良いと思います。しかし、事業計画の達成確立が半分であれば、VCは増資してくれるでしょうか」とアドバイスします。 ちょっと突き放した言い方になってしまいますが、ご自身の自信の程度で株価を選ばれるのが良いと思います。結局は、事業計画の達成度合いと言うのは、社長が一番分かっていると思いますので。 - Navi - そうなりますよね。 - 石割 - ただ、低ければ低い方が良いのかと言えば、そうではなくそうなればダイリューション(希薄化)を起こしますし、逆に高すぎると追加増資がし難くなる。なので、ミニマムの時での株価と積極的な時の株価の2パターンを作ってみて、達成確率等を考えた場合、多分答えは中間にあると思うのです。一番怖いのが、事業計画が下ブレしてしまい、追加増資が得られず、必要な資金を得られなくなってしまうことですですから。 - Navi - 資金が途切れて、会社が倒産してしまったら下も子もありませんからね。 - 石割 - ただこの辺は難しく確かに仰られるように、VCにしてもこの辺を聞く場合、企業からすれば、「あなたは嘘をついているのではないですか?」に近いことになりかねませんから、あまり言えないのです。「これ、本当に達成できますか?」と言ってしまったら気分を悪くしますから。この辺りは、矛盾を感じるところでもあります。 - Navi - ここは、どの立場の方にとっても難しい場面ですね。 - 石割 - あと、そもそも会社の経営の羅針盤として、事業計画を作っているのに役に立たないものを作っても意味無くはないですか、というのもありますが。 |
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