資本政策の立案策定

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資本政策の概要(a)

資本政策の概要

『資本政策立案マニュアル』からの資本政策に関する基本的な質問

【資本政策とは】

- Navi - 次に『資本政策の立案策定』について、個々に伺わせて頂きますが、今回は先程紹介させて頂きました『資本政策立案マニュアル』を中心に伺わせて頂きます。
 では、先ず資本政策とは何でしょうか? また、その目的および必要性などを持論なども含めてお聞かせ下さい。

- 石割 - 先程もお話しましたが、資本政策とは一言で言いますと『公開準備会社に関わる各利害関係者の利害調整』で、これが本質になります。目的は本にも載っていますが、資金調達であったり、創業者の持ち株維持、安定株主対策、キャピタルゲインの確保、従業員や役員のインセンティブ付与、公開基準の充足、事業承継・相続対策などが挙げられます。いろいろ現象面としては出てきますが、要はお金の問題と人間関係の問題ではないかと思います。

【資本政策の立案時期】

- Navi - 資本政策の立案時期は、いつ頃が良いのでしょうか?

- 石割 - 早ければ、早いほど良いと思います。上場するにせよしないにせよ、自分以外の人間からお金を、会社に入れてもらうということを考えるならば、それを思った瞬間からではないでしょうか。人に増資してもらう、これは親も含めてですが、人にお金を入れてもらうということは、そこでお金の問題と人間関係の問題が出てきますので、そんな精密なものではなくても構いませんが、必要になると思います。

- Navi - 『公開準備』ならば先ず『資本政策』みたいなイメージもありますが、確かに仰る通り資金調達や株主構成等の問題、言い換えればお金と人間関係の問題は、他人のお金を入れようと思う瞬間から考えなくてはならないものかもしれませんね。

資本政策の立案策定

- 石割 - おそらく、既存の本には人間関係の部分が薄かったと思うのです。でも、資本政策は綺麗事だけではなく、結局はエゴとエゴのぶつかり合いだったりしますから。

- Navi - 単にノウハウ本を読んで資本政策の作り方を知っているというだけでは、その辺までを考慮して作成するのは難しいでしょうしね。偉そうなことは言えませんが。(笑)

- 石割 - ですから、実際に利害調整をしたことがない人が作ると、ちょっと腑に落ちないようなところがあったりするのです。例えば、「この人絶対納得しないだろうな」とか「これでは乗ってこないだろうな」というような部分があったりします。あと『落とし所』ですね。例えば従業員に「ストックプションをいくら与えたら良いのか?」、多過ぎず少な過ぎない量はどの程度なのかも、判断基準を持っていなければ難しいと思います。

- Navi - うっ! また耳が痛くなって来ました。(笑)

- 石割 - (笑) そういう部分で判断基準の材料になるのが、株式公開入門Naviさんにあるデータ等になると思うのです。(新規上場した会社が)どういう資本構成になっているのかが参考になって来ます。概ね世の中の平均がこの程度なのだから、この程度にして置けば「世間並みでしょ」ということが言えますので。

- Navi - 確かに、客観的なデータを見せることで説得がし易くなりますね。

- 石割 - ですから、理論や理屈でだけは作成できない面があると思うのです。『誰に何株あげなければいけない』という理論はありませんからね。

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