水平.垂直合併 |
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水平合併とは 近年における世界的な激しい競争中、ライバル企業に対抗し打ち勝つために、ライバルに匹敵するかそれを上回る規模へと拡大しようとする場合、企業内部だけでの成長ではスピード感に欠けてしまいます。そこで、あまり時間を掛けずに規模の拡大を可能とする有力な手段として、M&Aが利用されます。 水平合併とは上記のような考えから、規模拡大のために同一業種のなかで同じ段階である企業の統合になります。水平合併は、マーケットシェアの拡大が瞬時に達成される手法で、高度経済成長・拡大経営の時代においては、それが評価されてきました。しかし、現在のような株主重視の時代では、単なる規模の拡大だけでは評価され難く、M&Aの結果が企業の利益、ひいては株主の利益に結びつくかということが評価の基準となっていますので、M&Aの際には、想定していた『規模の経済』の効果が得られない場合や、規模拡大の効果が一定の時期を過ぎると消え去ってしまうことにも留意が必要となります。 また、水平合併は競争者間の統合になりますので独占禁止法の『自由な競争』という趣旨から一番問題になるケースと言えます。(例:家電製造業同士・石油小売業同士の統合など) 垂直合併とは商品やサービスが消費者に届くまでのプロセスは、一般には『原材料・部品の生産企業』→『完成品の製造企業』→『卸売企業』→『小売企業』というような流れになっています。垂直合併とは、このようなプロセス上にある同一業種のなかで異なる段階である企業が統合するケースになります。(例:家電製造業と家電販売業、建設業と不動産販売業など) 垂直合併を行う目的として以下のものがあげられます。 ■全体的シナジー効果 企業が最適化や合理化を図る場合、別企業の状態では企業単位でしか行うことができず『部分的』となってしまい、『全体的』に行うことは難しい状況になります。しかしM&Aにより企業の枠が取り外されると、各企業の枠を越えた情報の交換や調整が可能となり、そのことによる顧客の声の反映・在庫削減・経営資源の再分配など業種全体におけるシナジー効果を目的として行う。 ■取引先の確保 例えば、自動車製造には欠かせない特殊部品を製造している企業が、他社のメーカーとの取引を増加し自社への供給量が減ったり、買収を仕掛けられたりすることなどにより、部品の安定供給に支障が生ずる可能性ある場合に、その部品製造企業を買収し傘下に収めることで、安定的な取引の確保を目的として行う。 混合合併とは水平合併・垂直合併のいずれにも属さない異業種企業が統合するケースになります。 各合併図解 |
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