セグメント |
|
セグメント情報の種類企業グループが単一の事業を営んでいるならば連結財務諸表はわかりやすいのですが、事業の多角化により複数の事業を手がけている場合には、連結により複数の事業が合算されることで個々の事業業績を理解することが難しい状況となってしまいます。そこで、事業種類別や所在地別等に損益や資産などの分析等が行えるようにするために、売上高・営業費用などの会計情報を事業の種類別・所在地別・海外売上高の区分単位に情報を開示することが求められますが、これをセグメント情報といいます。 1)事業の種類別セグメント情報 連結会社が2以上の異なる種類の事業を営んでいる場合には、事業の種類ごとに売上高・営業利益・資産の金額・減価償却費ならびに資本的支出の金額を区分し開示します。事業の区分は、製品・商品・サービスの種類・性質・製造方法・販売市場などの類似性を考慮して決めますが、区分は経営者の判断に委ねられています。 ■事業の種類別セグメント情報具体例(トヨタ自動車) 営業費用のうち各セグメントに割り当てなかった配賦不能営業費用が『消去又は全社』の欄に含まれ、配賦不能営業費用が多いと各セグメントの営業利益は表面上多く表示されますので留意が必要です。 2)所在地別セグメント情報 連結会社が日本以外の国または地域にも所在する場合には、連結会社の所在する国または地域ごとに売上高・営業損益・資産の金額を区分し開示します。国や地域の区分は、地理的な近接度・経済活動の類似性・事業活動の相互関連性などを考慮して決めますが、区分は経営者の判断に委ねられています。 ■所在地別セグメント情報具体例(トヨタ自動車) 3)海外売上高 連結会社が日本以外の国または地域における売上を有する場合には、当該国または地域ごとに海外売上高を区分し開示します。所在地別セグメント情報が販売元(会社単位)を基準とする情報であるのに対して、海外売上高は販売先(市場単位)を基準にする情報になります。 ■海外売上高具体例(トヨタ自動車) このようにセグメント情報を提供することで会社の状況を理解し、どの事業等でどのくらい儲かっているか・どの事業成長しているか・どの事業にちからをいれているか等を判断することが可能になり、投資家にとって有用情報になります。 |
|