連結決算.開示

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連結決算

連結財務諸表とは

 未公開会社では『連結決算』(連結納税とは異なります)を求められる事はあまりありませんが、株式公開企業では関係会社がある場合に連結財務諸表の作成が求められます。

 連結決算は企業を単体でとらえるのではなく、グループ全体を企業集団としてとらえその業績内容や資産状況を開示させることで、外部利害関係者による投資判断に関する情報提供の充実を図るために行われます。
 連結決算の手続きは単純に数値を加算するような手続きをとるのではなく、グループ内の債権と債務取引や売上と仕入取引を相殺するなどの、一定の基準に沿って作成されますので、連結財務諸表を作成することのできる能力を持つ人材が前提として必要になります。

 なお金融商品取引法(旧証券取引法)では、2000年3月期から決算は連結が主体となりましたが、会社法では決算は引き続き単独主体であり、配当の限度額も単独ベースとなっています。

 ■関係会社

 他の会社の過半数の株式を保有し支配している会社を『親会社』、支配されている会社を『子会社』といいます。また、20%以上の株式を保有し重要な影響を与える場合を『関連会社』といい、これらの子会社と関連会社とを合わせて『関係会社』といいます。
 そして、親会社を中心とした子会社や関連会社全体で形成されるグループを『企業集団』といい、その企業集団の財務諸表を『連結財務諸表』といいます。

 ■連結財務諸表の構成

  • 連結貸借対照表
  • 連結損益計算書
  • 連結株主資本等変動計算書
  • 連結キャッシュ・フロー計算書
  • 連結付属明細表

連結財務諸表の作成

 連結財務諸表は、親会社・子会社の個別財務諸表を連結精算表というワークシートを利用して、重複する部分を相殺・消去して作成します。従って、単独決算をせずに連結財務諸表を作成することはできませんので、連結財務諸表作成の基本的な流れとしては、先ず個別財務諸表を作成したうえで、連結財務諸表を作成します。

 ■持分法

 親会社が子会社の議決権の過半数を所有していれば当然子会社ですが、上場会社では40%超の出資でも連結子会社としている事例が多くあります。連結子会社の場合、損益計算書や貸借対照表をすべて連結します。
 一方、関係会社の場合『持分法』で連結を行ないます。『持分法』とは、関連会社の利益のうち親会社の出資(持分)比率分だけを連結財務諸表に反映する方法です。小規模子会社でフルに連結をしなかった『非連結子会社』にも持分法が適用されます。

 ■少数株主持分

 親会社以外の子会社の株主を『少数株主』といいます。例えば、親会社が80、その他関係ない第三者が20出資して、純資産100の会社を設立した場合、20を出資してくれた株主が少数株主になりますl。
 連結貸借対照表を作成する際に、親会社の関係会社株式と子会社の純資産の80分を相殺しますが、残りの20は『少数株主持分』として『純資産の部』に計上されます。

連結決算体制整備のポイント

整備項目 内容
決算期の統一 原則的には決算期を統一する必要がありますが、そのズレが3ヶ月以内であれば容認
※3ヶ月を超える時は、仮決算を行なう必要があるが、仮決算といえども本決算とほぼ同等の作業負担を要することになるので、通常は連結決算日の3ヶ月以内に子会社の決算日を変更します。
会計処理の統一 会計処理および勘定科目の統一が原則として必要
※例
・資産の評価基準(棚卸資産:セグメント単位等・有価証券:保有目的等 毎に統一)
・繰延資産の処理方法
・引当金の計上基準
・営業収益の計上基準(セグメント単位等 ごと)
関係会社の経理フロー整備 開示書類のほとんどが連結ベースで求められますので、作成の前提として関連会社にも公開会社と同様な経理処理スピードが必要
人材確保 連結財務諸表には、連結貸借対照表・連結損益計算書・連結株主資本等変動計算書・連結キャッシュフロー計算書、更にセグメント情報等の記載も求められますので、作成するにはかなりの知識・能力が求められますので、親会社・関係会社共に人材の確保が不可欠
※子会社の中には人材不足等の理由から、親会社の要求する決算スケジュールに対応できないケースがありますが、このような場合に、子会社の決算日を意図的に1〜3ヶ月前にずらすことも有効です。

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