内部統制システムの構築義務

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内部統制システム

内部統制システムの構築義務

 大会社(資本金が5億円以上または、負債の合計が200億円以上の会社)や委員会設置会社では、内部統制システムの構築に関する決定が義務付けられています。すなわち、大会社である取締役会設置会社では、取締役会が内部統制システムの整備に関する事項(会社法362条四号六号)を決定する義務を負います。
 また、この内部統制システム構築の決議内容の概要を、事業報告により開示しなければなりません。

 内部統制システム整備の具体的な水準については、各企業の判断に委ねられていますが、企業不祥事の未然防止等を図り、ひいては企業価値を向上されるため、それぞれの会社の実態・特性に適したコーポレートガバナンス・リスクマネジメント・内部統制を自主的に構築していくことが必要とされています。

内部統制での経営陣の関係

 会社法では、取締役会が内部統制システムの整備についての基本方針を決定し、その取締役会の基本方針の決定を受けて、営業部門や製造部門などの業務を担当する各取締役が、それぞれの担当部門の内部統制システムを構築・運用を行ないます。
 取締役会では、各部門に構築された内部統制システムが、適切に機能しているかチェックを行ない、問題があれば、改善策を講じます。

内部統制システムの構築

 監査役は業務監査の職責を担っており、内部統制システム整備を行なっているかどうかを監査すべき職務を負っていますので、監査を行います。

内部統制とは

 会社法や金融商品取引法※(2009年3月期から適用)で内部統制システムの構築が義務化され、一気に注目をあびるようになり、書籍・雑誌・新聞・セミナー・インターネットサイト等で、内部統制や日本版SOX法をテーマにしたものが多くみられるようになりました。 
 その中で様々な切り口から、『内部統制とは何か?』という問いに対し書かれています。初心者にも分りやすいものから、分りづらい言い回しや専門用語が並ぶものまでありますが、簡単なものでは『不祥事を防ぐ管理体制』『リスク対策とルール作り、その徹底』『業務が正しく行われるしくみ』などが揚げられます。

  内部統制は、企業不祥事が相次ぐなか、経営者の管理責任や監督責任を問う声があがり、社会的影響力の大きい企業(会社法では大会社と委員会設置会社、金融商品取引法では上場会社とその連結子会社)に対して、『不祥事を起こさないようにするためのシステムの構築』として、義務化されたのです。

 この『不祥事を起こさないようにするためのシステムの構築』といいますと、社内業務や会社運営の体制を見直し、不祥事が起きそうな要因となる箇所を探し、予防策として業務の文書化や新たなルールを作りなどを行い、それらの周知徹底を行なうことになります。

※金融商品取引法(日本版SOX法)とは、会社法が『広域的な内部統制』を求めているのに対して、『財務報告に係る内部統制』を求めています。また、その対象は『上場企業と連結子会社』になります。

内部統制システムの構築コンプライアンス

 
内部統制システムの構築