職務権限規程

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社内体制

 株式公開をすれば、今までの同族会社または少数の者で株主が構成されていた会社から、不特定多数の者によって株主が構成されることになりますので、今までのオ−ナー経営から組織的な経営への移行が求められます。

 例えば、未上場の会社の場合今までは社長(≒株主)が会社経営における重要な事項のほとんどを株主総会や取締役会を経ずに決定してきたかもしれませんが、公開後は部外者が株主となりますので、会社経営の重要な事項は会社法に則って株主総会・取締役会で決議を経て決定しなければなりません。(全ての会社は会社法上重要な事項について、株主総会・取締役会で決定しなければなりませんが、未公開企業の場合株主・取締役が身内のみと言うことで、議事録のみ作成し実際は株主総会・取締役会を開かない場合多い。)

 この他、社内体制に関して未公開企業に多く見られるものとしては次のような事項が挙げられます。

  • 業務手続の未整備(業務処理フローが確立されていない)
  • 中間管理職の不足(権限が社長に集中し人材が育たない)
  • 牽制機能が働いていない(個々の業務を特定の人に任せているため、不正や誤謬が発生し易くまた発見され難い)
  • 人事制度の不備 等

 これは上場審査において基本的なチェックポイントですので、公開準備期間にこれらの課題を解決し、個人的運営から組織的運営ができる社内体制への整備を行い、不正や事故の発生を防止し、一般投資家から集めた資金を効率よく事業活動に活かすことができるようにしなければなりません。
 組織的運営を可能にする社内体制の整備には、業務分掌と職務権限規程を明確しそれをルールとして成文化することが必要です。具体的には部や課で各部門の担当する業務範囲を明確にし各職位に効率的に職務権限委譲を行い、これを社内規程とし成文化します。

参考:【株式上場実務Navi】IPO専門家が語る[社内体制整備]

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まめ知識

■組織構造

 組織構造とは、組織の分業の状況を規定したものだといえ、組織図などに描かれているものが組織構造の姿だとも考えられます。
 組織の発端は、1人ですべてを行う個人の自由業のイメージであり、経営・営業・企画・経理等のすべてを一人で行います。その後ビジネスが成長するに従って、人を雇うようになり、今まで自分で行っていた業務の一部を分担させ、更に成長するとより多くの人を雇うようになります。そして、雇った人も一人では担当業務の管理・処理が行えなくなると、その人の下に働く人を雇います。こうしたことを繰り返すと、一方では担当を分担しておこない、もう一方では、横に階層ができてきます。こうして組織は、基本的には横の区分と縦の階層とができていきます。

 組織構造には2つの考え方があり、一つは、多様な人々との集合体を意欲的な協力関係にしやすくするように、共通の目的や目標を明確にする組織構造を作り出すことといえます。もう一つは、組織を秩序付けるために、権限と責任の明確化を通じて、組織活動を計画的で調整可能とすることです。これは、いろいろな環境変化に耐えながら、組織全体のゴールに向けて経営していきやすくするものといえます。

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