ショートレビュー.短期調査

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ショートレビュー

ショートレビュー(短期調査)とは

 「我社も株式公開を目指す!」と決断したとしても、実際何をどうしたらよいのかわからないのが一般的です。そこで多くの公開を目指す会社で活用されているのが監査法人による『ショートレビュー(予備調査.短期調査などともいいます)』です。これは経営や財務に関して短期的(通常一週間程度)に調査を行うことで『公開意思決定判断・公開への課題・公開時期』などを洗い出し、これから公開準備作業を進める上で道しるべとなるものです。

 以前担当していた会社で、ショートレビューを行うということで監査法人から様々な資料の提供が求められ、会社の担当者から「この資料がないのですがどうしましょう?・あの資料見せてもいいですか?あの処理まずいですかね?」と慌てた様子で連絡がありました。どうやら担当者の方は、ショートレビューを『税務調査』の様にイメージされていたようでかなり危機迫る感じでした。
 ショートレビューでは無い資料あっても・処理が間違っていても構いませんので、会社の有りのままを見てもらうことが大切です。隠すことで後々公開時に問題になることの方が重大です。

ショートレビュー.短期調査

 以前は資料が無くても・多少処理が間違っていても、余程で無い限り「公開は無理」などと言われませんでしたし、寧ろその時点で完璧に資料が揃い・正しい処理をされている方が珍しかったのではないかと思います。
 しかし近年は、監査法人の責任が問われるケースや、SOX法導入等の影響もあり、監査法人側で契約を断わるケースも多々あり、また会計監査費用も高騰しているようです。

ショートレビュー時の事前準備資料

 ショートレビューでは以下の資料等の提出が求められます。

  • 会社経歴書・会社案内(パンフレット)・登記簿謄本・定款・製品案内(カタログ)
  • 組織図・株主名簿・役員の経歴書・取引銀行一覧・株主総会議事録・取締役会議事録
  • 役員報酬・賞与明細・労働組合規約・出向者の状況・従業員の異動状況
  • 最近の事業計画書・最近の単年度利益計画書・利益計画の立案、管理、統制の組織、事務フロー
  • 内部監査の組織、事務フロー・店舗別売上高、利益一覧・主な仕入先、外注先一覧及び実績の推移
  • 社内諸規程類の一覧表・取締役会規程・現存するすべての諸規程
  • 勘定科目一覧・主要会計処理基準一覧・原価計算の概要説明・税務上の評価方法届出書
  • 最近2年間の決算書及び税務申告書・最近2年間の勘定明細・決算日以降直近までの月次試算表
  • 多額のリース契約・特許権等・新聞、雑誌等の記事・社内報・建物、土地等の登記簿謄本
  • 役員、主要株主と会社間の取引関係図(取引内容)
  • 関係会社との取引関係図(取引内容)  等

 上記の資料をショートレビュー時に監査法人から求められますが、これらの資料のうち現存しないものについては作成する必要はありません。

ショートレビューの目的

 ショートレビューを行なう事で以下の項目が明らかになります。

  • 社内管理体制の改善すべき項目とその改善方法
  • 経営組織体制の改善すべき項目とその改善方法
  • 会計管理制度の改善すべき項目とその改善方法
  • 特別利害関係者との取引実態
  • 関係会社等との取引実態
  • 上場審査の概要と求められるレベル

 上記のように、自社の現状を知ることで株式公開へ向けた課題が明らかにされ、これらを基に株式公開までのスケジュールを組み立てて行きます。

参考:【株式上場実務Navi】IPO専門家が語る[ショートレビュー]

監査法人データショートレビュー.短期調査

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