株式公開パートナーで最も重要となる主幹事証券会社の役割

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主幹事証券会社

主幹事証券会社とは

 株式公開を目指す中で最も重要な存在になるのが主幹事証券会社です。
 主幹事証券会社とは、通常株式公開時に申請会社に関与する幹事証券は、5〜8社程度になりますが、その内公開申請するにあたり『推薦者』として一番責任のある立場を担う証券会社のことです。また、主幹事証券会社は委託売買・引受・募集売出・自己売買の全ての認可および承認を受けている『総合証券会社』である必要があります。

 主幹事証券は公開準備作業全体のコントロールを行い、各市場が求める公開基準への適合性を得るための指導や助言・公開申請の対応・公開時の公募売出株式の引受などが中心的役割になります。
 主幹事証券決定については早めに行なった方がよいのですが、最近は公開前のファイナンスに関する規制が緩和されたため、資本政策に対する規制が少なくなった事などから、決定時期が遅くなっているケースもあります。

主幹事証券会社の役割

公開準備作業
  • 作業手順やタイムスケジュールの指導
  • 申請書類(T.Uの部)作成指導
  • 社内規程整備指導
  • 資本政策立案指導
  • 社内規程整備指導
  • 従業員持株会・ストックオプション導入アドバイス 等
公開審査への対応
  • 「推薦者」として取引所に推薦できる状況であるかのチェック
  • 会社情報が投資家に対し適切に開示されているかのチェック
売出株式引受
  • 株式引受は数社で行いますが、主幹事証券はその割合が一番多い
公開価格の決定
  • 機関投資家の意見等により公開価格の仮条件を決定し、その仮条件を基に投資家の需要により公開価格を決定
公開後
  • IRサポート
  • 公募増資などの直接金融による資金調達時の指導助言
  • 株価についての助言
  • 様々な情報提供 等

主幹事証券会社引受会社データ

主幹事証券・役割

 最新データは[新規企業データ]

主幹事証券による審査の質

 主幹事証券は、未上場企業を市場に送り出す『親』ともいえる存在であり、万が一上場企業として未成熟な企業を市場に送り出した場合は、その責任が問われることとなります。そこで主幹事証券は上場を目指す企業に対し、引き受け審査を行い会社の健全性等を調べ、市場に未成熟な企業を送り出す歯止めを図っています。

 しかしながらこの審査は証券会社毎に大きな差があり、審査の緩い上場し易い証券会社や審査が厳しい証券会社があります。それゆえ、審査の厳しい主幹事証券ではクリアが難しい場合に、審査の緩い別の主幹事証券に変更して上場を果たす企業も出てきています。
 ライブドアをはじめ、近年企業の不祥事や上場廃止、上場間も無い倒産が相次いでいますが、手数料や引き受け案件が欲しい証券会社と「どうしても上場を」という企業の思惑から、審査が緩くなっていることも原因の一つと言われています。また主幹事業務を担当する証券会社が急増し、1年に数社しか担当しない証券会社も多数あり、その経験の無さも問題となっています。

 そこで、「取引所や主幹事を変更して上場した場合は、その経緯の公表」、また基準として審査項目をまとめるなどの対策が行なわれています。

 ■近年における証券会社の不適切な行為例

KOBE証券 役員の親族に新規公開株式を分配(2006年12月)
エイチ・エス証券 理論価格を大幅に上回る金額に公募価格を設定(2007年3月)
丸八証券 新規上場企業の株価を公募価格以上に固定させる目的で顧客から注文を受け付け(2007年9月)

参考:【株式上場実務Navi】IPO専門家が語る[証券会社]

主幹事証券・役割機関選びの重要性

監査法人主幹事証券・役割

主幹事証券・役割