株主代表訴訟(責任追及の訴え)の解説

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株主代表訴訟

株主代表訴訟(責任追及の訴え)とは

 取締役の会社に対する責任は、本来 会社自身によって追及されるべきものですが、情実に流されて不問に付される危険性もあり、その実効性を期待し難い面があります。そこで会社法では、個々の株主自らが会社のために、会社の取締役に対する権利を行使して、訴えを提起することを認めています。これを『株主代表訴訟(責任追及の訴え)』と言います。

 『任務を怠ったとき』に会社に生じた損害を賠償しなければならないのは、取締役だけでなく、監査役・会計監査人・会計参与等も同じように責任を負っています。しかし、取締役の場合、決定機能・監督機能を担い、さらに執行機能、委員会設置会社の場合は監査機能までも担当することがあるのですから、その任務の守備範囲は他の役員や機関に比べ格段に広くなり、その分責任追求される部分も多くなります。

 ※旧商法では『株主代表訴訟』の名称が使われたが、会社法では『責任追及の訴え』といわれている。なお当該サイトでは、『株主代表訴訟』もしくは『代表訴訟』の用語を主に用いています。

株主代表訴訟を提起できるのは

 公開会社の場合、代表訴訟を提起できるのは、6ヶ月前から引き続き株式を有する株主になります。ここでいう6ヶ月という機関は、定款でこれよりも短い期間を定める事もできます。
 これに対して、非公開会社においては、6ヶ月の保有期間による制限は一切なく、株主であれば、誰でもすぐに代表訴訟の提訴請求を出すことができます。

訴訟コスト

 代表訴訟を提起するために、株主は手数料として13,000円のコストが掛かります。株主が勝訴判決を得たときには、会社に対し弁護士報酬の相当額のほか、訴訟の遂行に必要な調査費用等も請求することができます。

株主代表訴訟の却下等

 代表訴訟が自己もしくは、第三者の不正な利益をはかり、または会社に損害を加えることを目的とする場合には、却下することができます。
 また、定款の定めによって提訴する権利を認められない単元未満株主は、代表訴訟を起こす資格がありません。

株主の帳簿閲覧

 総株主の議決権または発行済株式の100分の3以上を保有する株主は、代表訴訟および差止請求・解任請求等の株主の権利行使を行なう前提として、会社の経理の状況を正確に知るために、会計帳簿および書類の閲覧または謄写を請求することができます。

中小企業の代表訴訟株主代表訴訟.責任追及の訴え

 
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