社外取締役.責任

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社外取締役

社外取締役

 我が国の企業では、大部分の取締役が従業員から就任するケースが多く、取締役会が緊密な人間関係で構成され仲間主義が強く、本来のチェック機能が働かないのではないかという、指摘がありました。そこでこれを克服するために、外部から有能な人材を導入して経営の効率を図り、取締役の業務執行の監督を図ることを目的として提唱されているのが、社外取締役です。

社外取締役.責任

 社外取締役は、すべての株式会社に義務づけられているわけではありませんが、特別取締役を設ける会社や委員会設置会社では、社外取締役を選任することが必要となります。

社外取締役の定義

 会社法では、社外取締役について次のような定義がなされています。(会社法2条N)

  • 会社の業務を執行しない取締役
  • その会社または子会社の業務を執行する取締役・執行役や支配人その他の使用人ではない
  • 過去にその会社または子会社の業務を執行する取締役・執行役や支配人その他の使用人となったことがない

責任の制限

 社外取締役がコーポーレート・ガバナンスの観点から望ましいとしても、現実には、なかなか適切な人材がいなかったり、また責任の重さから断られる場合もあります。そこで、社外取締役の会社に対する損害賠償責任を限定する特別の制度があります。

 方法としては、定款で社外取締役との間で、社外取締役が会社に損害を加えても、善意・無重過失であれば、定款に定めた範囲内においてあらかじめ定める額と一定の金額の合計額とのいずれか高い額を限度として、賠償の責任を負う旨の契約をできる旨を定めます。その後、そのような契約を締結して、責任の限定ができます。(会社法437 @)

社外取締役の現状

 近年、社外取締役を選任する企業が年々増え続け、東京証券取引所ではそれらの状況をホームページで閲覧できるようになっています。

東京証券取引所:[コーポレート・ガバナンスに関する報告書]→

 2007年9月末での東証一部の時価総額上位100社(金融を除く)における状況は以下の通りです。(日経新聞参考)

■社外取締役の採用状況

 社外取締役を採用している会社が65社で、うちグループ外からの採用が39社となっています。グループ外の採用では、学者・弁護士・他社の経営者が多くなっています。
 現状では、完全な第三者の採用例はまだ少なく、コーポレートガバナンスが高まっているとは言い難いとえいます。また社外取締役を掛け持ちしているケースも多く、経営監視が不十分になりかねいことも考えられます。

■社外取締役の報酬

 社外取締役の報酬を開示した企業は100社中28社で、平均報酬額は一人当たり1,066万円になっています。日本取締役協会によると、大半の企業では社外取締役報酬額として400万円から2,000万円の範囲で収まっています。

■社外取締役の出席状況

 社外取締役の出席率を開示した企業は100社中32社で、うち出席率が100%だった企業は5社のみとなっています。出席率が低い原因としては、本職が多忙・海外在住者などが挙げられますが、『そもそも時間が無いとわかっている人を採用するメリットがるのか・出席率が低くては企業統治が機能するのか』という指摘もあります。

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