株主総会シナリオ.進め方

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個別上程方式と一括上程方式

 議案の上程方法には、『個別上程方式』と『一括上程方式』とがあります。

 通常、招集通知に記載された順序に従って、個別に議案を上程して審議・採決を行ないますが、これを『個別上程方式』といいます。
 この方式では、議案ごとに意見や修正動議が出されることが予想され、多くの時間を要することが考えられます。また、株主からの質問があった場合、どの議案の質問か判断しなければなりませんし、株主からしてもどこで質問してよいのか判断が難しい場合もあります。更には、一つの議案の審議に多くの時間を費やしてしまった場合、時間短縮のため他の議案の審議を短時間で打ち切ってしまうと、説明義務違反になることが考えられます。

 一方、全議案を一緒に上程し一括して審議を行い後に、採決を順次行なって行く方法を『一括上程方式』といいます。
 この方式をとった場合、質問を打ち切って採決に入ったとしても、全議案についての意見や修正動議は出され審議されたことになるので、説明義務違反になりません。総会の所要時間のコントロールが可能となり、長期化を防ぐことができます。また、議長が、株主の質問を一々どの議案に関する質問か考えなくても済みますし、質疑の打ち切りも1回になります。 

 以前は、議案は1個ずつ審議すべきであり、一括上程は適切ではないという意見もありましたが、判例でも適法性を認められています。現在の状況としては、個別上程方式7割の一括上程方式3割程度になっています。

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 一括上程方式は、元々は総会屋対策に用いられた方法です。個別上程方式により議案個々に審議を打ち切り採決を行なうと、その都度、抵抗に合い強行採決をしなければならなくなり、総会の長期化をまねき、議長も大変となります。

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