株券の不発行制度の概要

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株券の不発行制度

株券の不発行制度とは

 株式会社に出資した場合その資金に応じ会社が株券を発行し、この株券はその株式会社に対する出資(所有)を証明するものです。株券はいわば、当該会社の出資やそれに対して与えられた権利を、目に見える形で表したものだといえます。

 しかしながら、2004年10月にスタートした法律では『株券不発行制度』が導入され、株券の印刷なしに、株式を発行・取引したり、株主の権利を行使できるようになりました。
 さらに、2006年5月に施行された会社法では、『株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる。(214条)』と定め、株式を発行したい会社は定款に『当会社は株式を発行する』と定めなければならなくなり、言い換えれば、株券不発行が原則で、株券発行が例外となったのです。

 ただし、『株主不発行制度』の選択は未上場企業のみが可能であり、上場企業は2009年1月に一斉に、株券が電子化されます。(上場会社でも、法律上2009年1月前に『株主不発行制度』を選択できますが、新制度が存在しませんので現実にはできません。)

 このように株券不発行制度により、今までの『株券』による移転や担保については、従来と大きく異なってきますが、会社そのもの・株主名簿・株主の権利などが無くなってしまうわけではありません。

上場会社と非上場会社の対応

 株券の不発行は、上場会社と非上場会社とでその仕組みが異なります。

 上場会社の場合、2009年6月までの一定の日(政令で定められた日)に一斉に株券不発行制度が導入され、株券は廃止されその後は一切存在しなくなります。
 その後は、現在の証券保管振替機構(通称 ほふり)を中核にコンピュータのネットワークで一元管理されることとなります。このように株券がなくなり、コンピュータでの管理されることから、これを『株券の電子化』と言われています。
  『株券の電子化』後、上場会社の株主の権利が誰に帰属するかは、証券会社に開設された口座の残高記録で定められます。

 一方非上場会社の場合、株券の不発行を選択するか、またはその時期をいつにするかは会社の判断によります。

株券の電子化による影響

 株券の電子化は、それぞれの立場から様々なメリット・デメリットが考えられます。

  • 発行会社・・・株券印刷や株主管理コストの削減
  • 株主・・・株券の紛失・盗難のリスクが無くなる
  • 株式市場・・・取引の効率性・安全性の向上
株券の不発行制度

株券の電子化への移行スケジュール

日 程 手続き・対応
1ヶ月前 新制度について振替機関に対する同意(発行会社、機構)
特別口座に関する公告(発行会社)
1ヶ月前〜2週間前の前日 質権者・証券会社による保振預託の特例(質権者、証券会社、機構)
2週間前の前日 保振信託の期限
2週間前〜一斉移行日の前日 保振信託株券の交付不可(株主・機構)
略式質権者からの株主名簿記載申請(質権者・発行会社)
一斉移行日
(及びその後)
みなし定款変更(発行会社)
口座の転記(機構、証券会社等)
実質株主通知と株主名簿の変更(発行会社、機構)
特別口座の開設・記録(発行会社・機構・金融機関)

※大和総研:『株券電子化への対応』より

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