SRI |
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SRIとはSRI(Socially Responsible Investment)はCSRの導入の上で欠かせない考え方で、「社会的責任投資」と訳され「企業への投資判断材料として経済性の評価のみでなく、企業の環境適合性・社会適合性の評価すなわち企業の社会的責任(CSR)を加え企業のパフォーマンスを分析し、投資先企業を決定する投資行動」と定義されます。イギリスでは年金基金の約80%がSRIを導入するなど、欧米においては盛んに行われています。 このSRIへの取組みでわが日本は、欧米に比べ大きく出遅れている状況にありその選定基準・ファンド運用額で大きな差が生じています。 選定基準として日本のSRIファンドのほとんどが「環境問題」を主に取り入れる傾向があるのに対し、欧米では「人権問題・労働者保護・アルコール・ギャンブル・たばこ・武器」への取組を選定基準としているなど多彩です。 またファンド規模についても日本では種類も少なく運用額も数千億規模(ファンド数32本・資産残高3千億円 2007年8月付日経新聞より)がやっとであるのに対し、米国におけるSRIの資産残高の総額は2001年度で約300兆円、欧州におけるSRI資産残高は約1兆6,000億円に達しています。 この様に日本では欧米に対しSRIがまだあまり認知・採用されていない状況にありますが、近年日本株に対する外国人投資家の株式保有率は年々高くなっており、このような海外の動きを無視することはできませんし、今後この流れは日本に影響することは必至です。 この様な状況下で各企業のSRIへの対策は、今後ますます重要視されて来ることでしょう。 SRIによってCSR(社会的責任)の達成度の高い企業に株式投資が集中すれば、こうした企業の株価上昇、企業価値の増大をもたらすことになるため、一般株主や経営者はますますCSRの達成度を高めようとすることになります。このようにSRIは、企業をCSRの達成度を高めるように方向づける意味を持っているのです。 SRIファンド SRIファンドは通常、まず専門のコンサルタント会社が法的責任、社会的責任、環境責任などのCSR評価を実施して、投資対象銘柄を絞り込みます。その後は、市場平均より高い運用成績を目指すアクティブファンドと同様、企業の財務体質や中期的成長性、株価水準などから投資判断を下すのが一般的になります。ただ、CSRでの配慮をどのように評価して銘柄選別の基準にするかは、ファンドにより大きく異なります。 このように企業のCSRへの取組を判断材料とすることには、CSRに配慮する企業は、コンプライアンスへの取組を重視しているケースが多く、企業不祥事を起こす可能性も少なく、体力的な余裕もあり、長期的に安定した業績を上げられるとの期待が背景にあります。 アメリカSRIファンドの選定基準
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