減価償却制度 |
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耐用年数の改正の概要日本企業は、設備投資をしてもその減価償却に長期の期間を要し、国際競争力という観点から不利になると言われており、平成19年度の税制改正で、残存価額及び償却可能限度額の撤廃、減価償却方法の見直し等が行なわれ、一定程度、国際的に遜色のない制度となりましたが、法定耐用年数に関しては大きな改正は行なわれませんでした。そこで平成20年度改正では、『法定耐用年数区分の見直し』『耐用年数の短縮特例制度の簡素化』が見直されることとなりました。 法定耐用年数区分の見直し■改正概要 平成20年度改正前では、機械及び装置の法定耐用年数区分として390区分があり、諸外国に比べると極めて細かい区分となっていました。これには、法定耐用年数が長すぎて国際競争力や成長力を阻害しているとの指摘もあり、そこで機械及び装置を日本産業分類における中分類を基礎として55区分に大括り化がされ、また汚水処理用減価償却資産の耐用年数と、ばい煙処理用減価償却資産の耐用年数が、統合する改正が行なわれました。 ■改正の適用 この改正は法人の場合、既存の減価償却資産を含め、平成20年4月1日以後開始事業年度から適用され、個人については、平成21年度分以後から適用されます。 耐用年数の短縮特例制度の簡素化■改正概要 減価償却制度では、償却資産を法定耐用年数毎に定められた償却率で、減価償却を行なうこととなっていますが、償却資産によっては法定耐用年数と現実の使用年数と異なる場合があります。その様な場合は、納税地の所轄国税局長に承認を受けることで、その資産の使用可能期間に基づいて償却限度額を算定することができるようになっています。 この短縮の承認を受けるには、該当する資産ごとに書類を添付して、国税局長に承認申請書類を提出することになっており、また耐用年数の短縮特例の適用を受けた減価償却資産について、軽微な変更があった場合や特例適用を受けている減価償却資産と同一の減価償却資産を取得した場合でも、その都度承認が必要となっていました。 そこで、納税者の事務負担に配慮して、特例の適用を受けた減価償却資産について軽微な変更があった場合、特例の適用を受けた減価償却資産と同一の他の減価償却資産の取得をした場合等には、改めて承認申請をすることなく、変更点等の届出により短縮特例の適用を受けることができるようになりました。 ■改正の適用 この改正は法人の場合、既存の減価償却資産を含め、平成20年4月1日以後開始事業年度から適用され、個人については、平成21年度分以後から適用されます。 |
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