IPO資本政策事例

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資本政策具体例

資本政策案の具体例

IPO資本政策事例

■前提

  1. 現在は、21年3月期の途中である(例えば20年7月)
  2. 株は現在社長が全株式を所有(400株)
  3. 前期の業績は、売上高10億円・当期純利益30百万円
  4. 株式公開は23年9月
  5. 株式公開市場はJASDAQとする

■資本政策立案例

@ヒアリング
 事業計画として、21・22・23・24年3月の業績予想を経営者からヒアリングする。(上記表の業績予想に記載)
A最終株主構成をイメージ
 安定株主比率※1は、比率の高めの2/3と低めの1/2との間の58%程度とする。
B公開時の発行株式数の算定
 株式公開時点の発行株式数は、公募価格を300,000円(H-I)と仮定しすると上場類似業種・類似企業のPERが20倍程度※2なので300,000÷20倍=15,000円
15,000=360,000,000÷X・・・・X=24,000(G-H)  ∴24,000程度とする。

参考:PER[株価指標]

C公募株数
 公募時の調達資金として25億程度調達したいので 2,500,000,000÷300,000(9-I)=8,333
∴ 8,000株程度の公募を予定(G-I)
売出数は、安定株主割合(58%)がクリアーできるように最終的に検討する。Eへ
D公開前の増資等
 21年3月期の決算が確定した後に、事業拡大のため資金が必要なので増資を行う予定がある。その資金調達は知人等に対し増資を行う予定。(21年9月予定)
 その前に経営者の安定した持株割合を確保するため、増資・分割を行う。
 1・・20年12月に節税対策も加味し、社長保有の持株会社を設立しそこで引き受ける。(A-C)
 2・・21年5月に株式分割を行う(E)
 3・・知人・得意先・社員に対し増資を行う(F)
ここでの株価は21年3月の決算を基に3,000(R-E)×20倍=60,000円(H-F) とする。
E売出株数
 Cで持ち越した売出数を、株式公開後株式構成(安定株主比率58%)・その他の株主が売出する株数・公開基準クリアーを考慮し決定する。(I) 赤文字
F最終調整
 微調整をエクセル上で行い、上記の資本政策立案の完成

 ※1安定株主とは、経営者が経営権を確保し維持するために協力し、長期的に株式を保有してくれる株主のことで、安定株主比率はその持分割合を指します。安定株主としては、経営者やその親族・従業員持株会・取引先などがあげられます。

 ※2公募価格については上場類似業種・類似企業の『PER』等を参考に算出しますが、情報や実績不足等から実際は上場企業よりも通常20〜30%程度割引かれます。これを『IPOディスカウント』言い、相場環境環境が悪くなれば比率が高くなる傾向があります。

 簡単に説明すると以上のようになりますが(といっても初心者の人には難解でしょうが)、現実は初期の株主構成がもっと複雑・有償売買が必要・想定した出資者が見つからない等の問題や法律の規制等がありますので、専門家からのアドバイスが必要になります。

参考:【株式上場実務Navi】IPO専門家が語る[資本政策]

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