ジャスダック上場の申請.審査

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申請.上場審査の概要

厳しくなる傾向にある上場審査

 上場審査は、目指す市場毎に審査項目や流れが異なりますが、近年新興市場企業の不祥事等が相次いで発生したため、スピードを重視し企業として未成熟な案件まで上場させているのではないかという指摘もあり、各市場および証券会社の上場審査は厳しくなる傾向にあります。

 これは未成熟まま企業を株式上場させ、公開後に不祥事等により上場廃止にでもなれば、株主・投資家ばかりではなく、金融機関・取引先等にまで多大なる影響を与えその信頼を失ってしまうからです。これら関係者から信頼を失えば、証券市場の根幹を揺るがしかねない事態となる可能性がありますので、公開準備企業に対する、引受証券会社が行なう内部体制や決算内容の点検・証券取引所などの審査・監査法人の監査等について厳格化が強く求められています。

 特に最近は、反社会的勢力との関係・コーポレートガバナンス体制の整備状況(その中でもコンプライアンス体制)・ディスクロージャー等に審査の重点を置いています。

参考:【株式上場実務Navi】IPO専門家が語る[上場審査]

ジャスダック証券取引所審査手続の流れ

@申請
 申請会社から事前資料を送付(申請日の2週間前までに)・主幹事証券から推薦書等が提出され、その後申請会社の公開実務担当者はジャスダック証券取引所事務局に訪問の上、申請書類を提出する。
A実務担当との質疑応答及びヒアリング
 ジャスダック証券取引所は、3週間程度の事務局審査を行なった後に、申請会社の公開実務担当者との間で書面もしくはメール等により、質疑応答を行なう。(2週間程度)
 その後質疑応答の結果を踏まえて、公開実務担当者等に会社ヒアリングを行なう。
B実地調査と監査役ヒアリング
 ジャスダック証券取引所事務局は、会社の主たる事務所や営業所を訪問し、会社の実態を調査・観察し上場会社としてふさわしい内容であるかを確認する。また同時に監査役ヒアリングも行なう。
C監査法人(公認会計士)ヒアリング
 担当の公認会計士に対して会計組織の整備・運用状況・監査上最も注力した項目やその対応等についてヒアリングが行なわれる。
D社長面談
 上場会社としてふさわしい内容であることが確認できたならば、公開目的・経営方針・コーポレートガバナンス等に関して社長面談が実施される。
E承認・上場
 ジャスダンク証券取引所内の協議・決裁を経て上場承認がされ株式上場となる。

 ※上場審査の審査項目や流れおよび審査期間は、各市場毎に異なりますので御注意下さい。

 審査は、ジャスダック証券取引所の前に主幹事証券による審査が行なわれます。これは、上場申請の際に主幹事証券は上場申請会社についての事前確認とそれに基ずく推薦書の提出が義務付けられており、また上場に際しての公募・売出しにおいて、申請会社の株式を受けるリスクを負担するためです。

審査資料

 上場審査において中心となるのは、『上場申請のための有価証券報告書(Tの部)』と『上場申請のための報告書(Uの部)』になりますが、その他にも次のような資料の提出が求められます。

  • 事業報告・附属明細書(会社法)
  • 税務申告書(決算書・勘定科目内訳明細を含む)
  • 株主名簿
  • 会社案内・パンフレット
  • 社内規程集
  • 内部監査に関する資料
  • 予備調査報告書  など

審査のポイント

 上場審査のポイントは業種や規模などによっても異なりますが、具体的なものとして以下の通りです。。

  • 製品の特徴(成長性・競合・業界動向)
  • 業務管理(業績変動管理・計画との整合性・信頼性のある収益見通し)
  • 在庫管理・債権管理販促政策・価格政策
  • 外注・受注管理
  • 労務の状況(離職率・労務コンプライアンス)
  • 技術革新のスピード・試験開発管理・特許や知的財産権の管理
  • 特定顧客・特定商品への依存度 など

参考:【株式上場実務Navi】IPO専門家が語る[上場延期]

ジャスダック上場の申請.審査形式基準.実質基準

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